パチンコ開発者にとって、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)の法知識は重要なものとなります。しかしながら、法の条文は用語は一般的に使用されることが少ないためなかなか独学で学習することが難しい分野になります。
そこで今回は、用語の1つである「普通電動役物」について書いていこうと思います。

普通電動役物とは?

普通電動役物とは、みなさんが「電チュー(電動チューリップの略)」と呼んでいるものに該当します。
普通電動役物が作動する仕組みは下記の通りです。

ゲート通過
→普通図柄抽せん
→普通図柄当せん
→普通電動役物作動

最近では、通常時でもロング開放する機種も存在し、ゲーム性を拡大させる役割を果たすこともありますが、普通電動役物の主な役割としては確変中や時短中に玉持ちを良くさせることを目的とすることが多いです。

遊技機規則では次のように決められています。
・開放時間は6秒間まで(切り分けて作動可能)
・入賞はおおむね10個まで

また、普通電動役物は始動口としても使用されています。
この場合、ヘソ始動口と電チュー始動口で大当り時の性能が異なる仕様が可能なため、電チュー始動口で大当りした時は出玉が多く取れる等有利になることが多いです。

なお、普通電動役物について、遊技機規則の解釈基準内に次のような記載があります。
遊技機が、普通電動役物に係る入賞口の開放等の時間、開放等までの時間、開放等の回数及び普通電動役物が作動することとなる図柄が表示される確率を入賞が容易となるように変動させる場合には、

①変動の契機が、役物連続作動装置の作動終了時のみ
②変動が、条件装置の作動確率が高い値になっている間又は100回の条件装置の作動に係る抽せんを行うまでの間に限られているもの
③変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値が、1を超えないもの

という性能である限り、当該遊技機の当該性能は、チ(ロ)に抵触しない。
※チ(ロ)は役物の作動について規定している箇所

①は電サポ機能を設ける場合は大当り終了後のみと定められています。これを応用して実現したものとして「突然確変当り」が挙げられます。
②は電サポをつけて良い条件が記載されています。確変中であればいくらでも電サポを設けられますが、大当り終了から100回転目のところで確率が低い値になっていた場合は通常に戻さないといけませんということが謳われています。
これが最大時短回数が100回までの根拠になっています。
最後の③は、電サポ中に獲得される数が発射個数より多くなってはいけない、つまり確変中や時短中は玉を増やしてはいけないことを定めています。
以前は時短中に玉が増える機種が存在しましたが、現行規則では出来なくなってしまっています。

以上が、普通電動役物の説明になります。

規則上の遊技機の種類について

規則上は、第六条で遊技機の型式に関する技術上の規格に関して記載され、ここでは大きく分けて
(1)ぱちんこ遊技機(別表第四で定める)
(2)回胴式遊技機(別表第五で定める)
(3)アレンジボール遊技機(別表第六で定める)
(4)じやん球遊技機(別表第七で定める)
とされています。

今回のような、遊技機規則上の専門用語に関しては「別表第二」で用語の意味として定義づけられています。
因みに、「普通電動役物」は「(2)ぱちんこ遊技機に係る用語の意味」として「ホ」に下記のように定められています。

ホ 「普通電動役物」とは、電動役物のうち、大入賞口以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が特定の入賞口に入賞し、若しくは特定のゲートを通過し、又は特定の図柄の組合せが表示された場合に作動するものをいう。

また、今後もパチンコ・パチスロの用語に関して記載していきますので、お楽しみに!