パチンコ機の中には、液晶画面上の図柄が大当りして振分け装置に玉を入れた後に、ラウンドが確定するような少し特殊な遊技ルールを備えている機種があります。これは遊技機規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)の「別表第4 ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格 (1)性能に関する規格 ト(ハ)のb」を使用したものになります。
今回はこの部分について簡単にご説明していきます。

別表第4 ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格 (1)性能に関する規格

ト(ハ)には下記のように定められています。

<規則抜粋>
ト(ハ)役物連続作動装置は、次のいずれか1の場合に限り作動するものであること
a 条件装置が作動した場合
b aの場合において、遊技機が大入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲート(大入賞口内に設けられているゲートを除く。)若しくは大入賞口以外の特定の入賞口内の特定の領域を通過したとき

「役物連続作動装置(遊技者視点の大当り)」は、a・bのいずれかによって作動させることとあります。aの「条件装置が作動した場合」は、ほとんどの機種が採用しており、特別図柄で大当りフラグに当選することによって大当り発生までの一連の判定を行うものです。
今回、着目した「ト(ハ)のb」は、特別図柄で大当りフラグに当選させるまでは同じですが、この時点ではまだ作動に至らず、大入賞口以外の特定の入賞口への入賞やゲート等を通過させた後に、はじめて役物連続作動装置が作動するといった仕組みの機種がつくれるということです。

この「ト(ハ)のb」を、最初に使用した台は「CR天才バカボン4(大一)」ですが、この機種では全大当りが振分け装置でラウンド数を決めていました。それまで、大勢のパチンコ企画者、開発者が「ト(ハ)のb」を敢えて?使用していなかった条項で、大当りラウンド抽選を遊技者に選択させる斬新な機能、「ドキドキゲート(CR天才バカボン4)」【※】を搭載しました。
最近の主流は一部の大当りは16R確定でそれ以外の大当りをガチ抽せんで行なうタイプが増えています。
このシステムは、特別図柄表示装置に表示される大当り図柄によって16Rの大当りになる図柄と、振分け装置入賞でラウンド数を決める図柄を予め決めていることにより実現しています。

ところで、振分け装置で決めて良いのはラウンド数のみで「確変になるか」や「時短が付くか」などは決めることが出来ません。その後の状態に影響を与えるようなものは出来ないことになっています。

いかがでしたでしょうか。今回は規則の1条文である「ト(ハ)のb」に絞ってご説明させていただきました。
パチンコの開発者は、規則や内規といった法知識はもちろんのこと、そこに柔軟な発想が求められるんですね。

 

【※】CR天才バカボン4シリーズで搭載された「ドキドキゲート」。特別図柄に大当りとなった後に「①10ラウンド大当り」か「②4ラウンドor16ラウンドの各50%抽選」を遊技者がゲートを通すタイミングによって自由に選択できました。個人的には、お気に入りの機能です。負けが込んでいるときは②の「4ラウンドor16ラウンド」、打ちはじめの時は①の「10ラウンド」を選択していた記憶があります。