商品開発に欠かせない品質管理とデバッグ

今年の5月にローソンの玉塚元一会長がデバッグ事業を主力とするハーツユナイテッドグループの社長に就任するというニュースが流れました。その会見でソフトウエアデバッグ市場を「大きな成長戦略を描ける市場」と述べています。

現にゲームや携帯、アミューズメント機器(遊技機)や業務システムまであらゆるソフトウェアーの不具合(バグ)を動作テストを通じて発見、報告する業務であるためその市場規模は計り知れません。つまりこの工程を疎かにすると言うことは市場規模の観点から見ても莫大な損失を発生させる事になります。
とかく商品開発においてデバッグはかなり後回しにされがちな工程ですが、欠くことのできない非常に重要な業務なのです。

遊技機のデバッグ内容

デバッグというとゲームを連想される方が多いのではないでしょうか。

ゲームでのデバッグは特定の操作を繰り返したり、通常ではありえないような操作をしてみたりとゲームをプレイすることでバグを発見しますが遊技機のデバッグは演出の齟齬がないかを探す作業になります。よって基本的には液晶演出を注視することになります。更に大事なことはゲーム性のチェック(信頼度のバランス、演出の出現頻度)です。
これは遊技機開発にとって非常に大事な所でバグがなければ良いという訳ではありません。これらのデータは蓄積され新機種開発にフィードバックされていきます。
万が一市場においてバグが発生してもゲーム業界であれば各デバイスがオンラインで繋がっている場合は修正ファイルを配布して対応することも可能ですが遊技機の場合はそうはいきません。
市場に設置されている遊技機は勝手に基板を取り換えることは出来ません。遊技機の部品を取り換える場合はまず保証書を入手し各所轄へ変更承認申請をします。これで部品の交換はできるのですが稼働は出来ません。行政による検査をクリアし変更承認の通達があって初めて稼働再開となるのです。この手続きの間機械は止めておかなければなりませんので設置ホールとの補償問題になる可能性もあります。近年でも実際に市場導入されたスロットでARTが発動しないというバグが発生したため全台回収(12,000台)という事案がありました。
このようなトラブルは企業の存続さえ危うくさせることになります。

デバッグの実務

前述ではデバッグの作業内容を書きましたが実際デバッグの実務は遊技機の映像・システムのチェック管理、商品化に向けた最終チェック、映像・システムのチェック管理者として、試験項目を作成し内外の調整をしながら試験を実施。試験結果をデータベース化し、次商品へ反映させていく等がメインの仕事になります。遊技機に限らず開発とつくものがあれば、どんな商品にも品質管理があり、不具合(不良品)のチェックがあります。開発者の前には必ず「お客様がいらっしゃる」そのことを常に念頭におき、極力不具合をなくすよう努めながら開発しなければなりません。

デバッグ業務に必要なスキル

デバッグ業務に必要なスキルの第一は「パチンコ・パチスロが好き」であることです。演出の違和感や気持ち良く遊技が続けられるか等は遊技しているものにしか分かりません。「好き」は大切なスキルと考えています。そのスキルがダイレクトに反映される業務といえます。
また遊技機業界へ就職を考えている方のメリットとして遊技機のテストをするにあたり現行のタイトルの仕様書や企画書を目にするチャンスがあります。本物のプロが用意したものを見られるチャンスというのは貴重です。それに遊技機の企画を目指す人ほど自分がやりたい遊技機だけに偏った発想しか出てきません。デバッグ業務はあらゆるタイプの遊技機をテストしなければなりません。遊技機の企画開発を目指すのであれば、強制的に興味のあまりなかったジャンルの遊技機をテストする機会があるのは良いことです。変な不具合から面白いアイデアが出てくることも実は結構あります。遊技機開発に興味がある方には大変勉強になる仕事(アルバイト)先です。
ただし厳格な守秘義務がありますので遊技機内容を他言してはいけません。もし機械情報が漏洩した場合莫大な補償を求められることになりますので注意しましょう。

 

デバッグの仕事について書いてきましたがいかがでしょうか。
開発の中でも重要なポジションであることは理解して頂けたと思います。不具合を見つけることは製品の品質向上につながります。この先の遊技機業界を盛り上げてくれる逸材はデバッガーの中にいるのかもしれませんね。

G&E在校生の中にも在学中にデバッグのアルバイトをしながら、企画開発職を目指す者も多くいます。専門知識と技術を学習しながら、開発現場の一工程であるデバッグを経験することで就職活動に備えてます。
<遊技機の開発職を目指すなら>
PS総合開発コース(2年制) https://www.g-e.jp/course/list/list01.html
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PS映像プランニングコース(1年制) https://www.g-e.jp/course/list/list03.html