パチンコ・パチスロ型式試験の保通協適合率ってどのくらい

2018年2月1日から「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」が施行されます。遊技機(パチンコ・パチスロ・アレンジボール・じゃん球)の規格が変わることが決定しましたが、今回は現行規則の保通協型式試験の現状の適合率から来年の2月以降の型式試験結果を考えてみましょう。

 

2017年度(8月度まで)の型式試験実施状況(適合率)

2017年1月から8月までの8か月間で、パチンコ586機種、パチスロ568機種の型式試験の結果書交付が行われました。【詳細は下記の表1-1、表1-2を参照】 アレンジボールとじゃん球は共に0機種で、どうやら持ち込んでいるメーカーはないようです。
気になる2017年度の適合率ですが、パチンコは41.3%、パチスロは37.1%となっていて、パチンコの方がパチスロに比べると若干適合率が高くなっています。ところが、1月度には58%程あったパチンコの適合率が8月度は30%程にまで下がってきています。不適合事例は様々ですが、試射試験の結果によって規則で定められた基準値を超えてしまったり、下回ってしまっているケースが増えていることが予測されます。

 

【表1-1:月別の型式試験実施状況】

区分 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
パチンコ 結果書交付 65 81 91 85 61 67 58 78 586
適合 38 31 38 34 24 28 25 24 242
適合率 58.5% 38.3% 41.8% 40.0% 39.3% 41.8% 43.1% 30.8% 41.3%
不適合 27 50 53 51 37 39 33 54 344
みなし不適合 0 0 0 0 0 0 0 0 0
パチスロ 結果書交付 55 79 84 70 76 85 56 63 568
適合 20 32 33 17 26 30 27 26 211
適合率 36.4% 40.5% 39.3% 24.3% 34.2% 35.3% 48.2% 41.3% 37.1%
不適合 35 47 51 53 50 53 29 37 355
みなし不適合 0 0 0 0 0 2 0 0 2

※保通協HPの統計資料より

 

 

【表1-2:保通協の適合率グラフ】


※保通協HPの統計資料を基に算出

 

 

現状の型式試験実施状況と新規則施行後の型式試験について

こちらも保通協HPの型式試験の実施状況(2017年9月21日現在)によると、200機種近くが試験中となっています。パチンコは現行規則の機種の試験で、パチスロは5.9号機基準の試験であることが明白ですが、2018年1月いっぱい迄は保通協への持ち込みが殺到することが予測されます。
これは来年2月の規則改正を見据え、各メーカーが開発中の遊技機を何とか改正前に適合させるために当然のことといえます。(開発にかけた費用・時間といったコスト損失につながってしまいますから・・・。)

 

ここで気になるのは、先ほどの【表1】で見られたパチンコの適合率が新規則でどのようになるのかです。新規則の遊技機をメーカー開発者がどのよにつくっていくかは、この先、明らかになっていくことと思いますのでここでは言及致しませんが、パチンコの設定に関しては、どのように考えるかで適合率に影響を及ぼすと考えられます。パチンコの設定は6段階まで認められますが、現状の設定なし(つまりは、1段階設定ともいえる?)でも試射試験で不適合となる中で、6段階の設定で試射試験を行うことが適合率の更なる低下となる恐れが非常に高いといえます。

 

また、パチンコの設定で変更できることは作動確率とされています。パチスロでは前回の規則改正の5号機当初に2段階設定の機種もありました。ただでさえ、歴史上、規則改正時は適合率が下がる傾向が見られた中で、パチンコの設定搭載は適合率低下をより加速させる恐れがあるため、6段階にしないケースもあるかもしれませんね。

 

今回は、規則改正と保通協の適合率に関して、勝手に思ったことを綴りました。今回の規則改正は、著しく射幸心をそそる遊技機の基準が変更となることですが、この基準はパチンコ業界だけでなく社会的背景といった外部要因に左右されることが大きく、今回だけでなく将来的にも変化するものであるはずです。出玉性能面で考えるとパチンコ・パチスロでこれまで可能だったことができなくなってしまうものもあれば、反対に、世の中の技術等の進歩などによってハード面・ソフト面で可能になるものもあるかもしれません。

 

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