パチスロにおいて現在主流となっている「押し順役」
主にリプレイやベルなどで使用されているシステムです。
リプレイに関しては特に何も問題はありません。
例えば、
[リプレイ・リプレイ・ベル] (リプレイ確率が上がる)
[リプレイ・リプレイ・リプレイ](リプレイ確率は上がらない)
の2つが同時に成立しており、
左から押すと[リプレイ・リプレイ・リプレイ]が揃い、
右から押すと[リプレイ・リプレイ・ベル]が揃う。
この仕様は、何も全く問題はありません。
なぜなら、どう押しても<再遊技>が揃うからです。
その後のリプレイ確率がどうであれ、そのリプレイ成立遊技での期待値が変わらないので大丈夫です。
では、押し順ベルならどうでしょうか。
例えば
[リプレイ・スイカ・チェリー](1枚役)
[ベル・ベル・ベル] (9枚役)
の2つが同時に成立している場合、
当然ですが、1枚役が揃うか9枚役が揃うかで当該遊技の期待値は変わります。
雑誌でよく見かけることもあると思いますが、
「1/4で1枚役が揃い、3/4でベルこぼしが出る」
といったような仕様。
これはどうなっているのでしょうか。
ちなみに、
[リプレイ・スイカ・チェリー](1枚役)
[ベル・ベル・ベル] (9枚役)
の2つが同時に成立している場合、この場合だと、最大枚数が獲得できる
[ベル・ベル・ベル]しか揃えることができません。
さて、ここで、ベルが取得できる場合とそうでない場合がある役に付いてですが、
リール制御には
<組み合わせ優先制御>と
<枚数優先制御>の2つがあることを覚えておいてください。
具体的に、どういう制御なのかというと
<組み合わせ優先制御>は
“組み合わせ数が多くなる図柄を優先して引き込む”というもので、
<枚数優先制御>は
“枚数が多く取れる可能性のある図柄を優先して引き込む”というものです。
例えば、
ベルA当せん時
左1stは<組み合わせ優先制御>、
中1stで<枚数優先制御>、
右1stで<組み合わせ優先制御>、
とし、ベルAでは
[リプレイ・スイカ・チェリー](1枚役)
[リプレイ・バー・赤7] (1枚役)
[ベル・ベル・ベル] (9枚役)
の3つが成立しているとした場合、
左リールを押した場合、左リールは[リプレイ]か[ベル]のどちらかを停めることができます。
[ベル]を止めると[ベル・ベル・ベル]の1通りを揃えられる可能性があります。
しかし、[リプレイ]を止めると[リプレイ・スイカ・チェリー]と[リプレイ・バー・赤7」の
2つを停められる可能性があるのです。
左1stは<組み合わせ優先制御>となっているので、
左リールでは1通りしかない[ベル]ではなく、2通りある[リプレイ]が停められます。
その後、中リールを押した場合、バーかスイカを引き込みますが、
どちらも引き込めない位置で押してしまうと[リプレイ・スイカ・チェリー]も[リプレイ・バー・赤7]も停められないため、
最終的にベルをこぼしてしまうのです。
中1stでは<枚数優先制御>なので最も枚数が多く取れる[ベル]を引き込みます。
そして、結果的に[ベル・ベル・ベル]が揃います。
右1stで押した場合ですが、
右リールは[リプレイ・スイカ・チェリー]の[チェリー]か[リプレイ・バー・赤7]の[赤7]か
[ベル・ベル・ベル]の[ベル]の3つの内のいずれかが停められます。
ただ、どれを停めたとしても、1通りの組み合わせしかありません。
そうなってしまうと、仮に<組み合わせ優先制御>であったとしても、どれも1通りのため枚数が優先され、
[ベル]を引き込んでしまいます。
ちなみに、成立している役の枚数が全部同じなら、全て<枚数優先制御>でどれを停めても問題ありません。
例えば、
[ベル・ベル・ベル] (9枚役)
[リプレイ・スイカ・チェリー] (9枚役)
[ベル・チェリー・青7] (9枚役)
の3つが成立しているならば、
全て<枚数優先制御>とし、左1stなら左リールに[リプレイ]を、
中1stなら中リールに[ベル]を、右1stなら[チェリー]を停める、といった感じです。
どれを停めても9枚取れる可能性があるため、何の問題もありません。
これが、実は結構大変で、配列やリール制御を作るうえでは本当に大変なのです。
あと、押し順関係で注意しなければならないのは「指示機能」、いわゆるナビですね。
ナビで出してはダメな例としては、“遊技者が損をする”ナビは出せない、ということです。
例えば、リプレイ確率が下がってしまう図柄が揃うナビや、ベルこぼしが出る可能性のある押し順をナビしたり、
枚数の少ない役が取れるものをナビしたり…といったことですね。
意外とリール制御も奥が深いのです。
それではまた次回!