皆さま、こんにちは。

今回のコラムでは、今ではパチスロと切っても切れない、「演出」について解説していこうと思います。

パチスロが登場したのは今から30年以上前になります。
この30年の歴史の中でパチスロの演出は大きな進歩を遂げました。

1998年、オリンピアより登場した「ビーナスライン」には業界史上初、“ドット”による演出が搭載されていました。
そして、2000年、サミーより登場した「ゲゲゲの鬼太郎」に、ついに今後の業界の歴史を大きく変える“液晶画面”が搭載されました。
そして、液晶やドットだけではなく、音による演出(遅れ、無音、テンパイ音、停止ボタン押下音)や、告知ランプ筐体のランプなど、視覚、聴覚で楽しめる演出あります。
それだけでなく、パチンコのように、画面上に突如出現する大きな可動役物なんかも搭載された機種も多くあります。

今では、派手な筐体に大きな液晶、その液晶上で展開される繊細かつ大胆な演出、そして美麗な画像。
出玉面での規制があるなら、演出で遊技者を楽しませる。
そういった風潮になりつつある今、実は演出に関しても規制があるのです。

大きなものでいえば、ずっと昔からある、通称「エログロ規制」

過度な性的な表現であったり、残酷、残虐な行為、犯罪行為などは演出上行ってはいけない。

というものです。

当り前といえば当たり前ですが、実は結構グレーゾーンな部分もあり、明確なラインは実は決められていません。

そのほかにもいろんな規制があります。

例えば、上段にベルが揃ったとき、最近の機種ではほとんどの機種がリールのバックライトを使用していません。
ちょっと前までは、フルカラーになったリールのバックライトで上段にベルが揃ったとき、ピカピカと光っていたのに…

実はこれ、最近になって規制が入ったのです。

どういった規制かというと、
「表示図柄を誤認させる(誤認を誘発する)演出の禁止」です。

例えば、有効ラインが中段の1ラインだとすると、上段にベルが揃っている場合、有効ライン上にはベルとは全く関係ない図柄が揃っていることになります。

この場合で上段に揃っているベルをピカピカと光らせることで、遊技者は「ベルが揃った」と思います。
ですが、実際に揃っている図柄は全く違う図柄になるので、これは「表示図柄を誤認させている」
とみなされる
ため、禁止となっているのです。

ただこれは、「ラインを特定していなければ(表示図柄を誤認させなければ)OK」なので、全リールを光らせる、とかはOKなのです。

なので、そういった機種もありますが、毎回のように全面フラッシュを使用していると、どうしても派手に見えてしまうため、
ほとんどの機種では単なるベルやリプレイではリールのバックライトを光らせていないのです。

ここにおける規制は「遊技者に、表示図柄を誤認させてはいけない」という点なので、
あえて「遊技者に、実際に揃っている図柄を教える」ことによって、誤認させていない機種もあります。

例えば、「ベヨネッタ(Sammy)」や「鬼武者3 時空天翔(Sammy)」のように、
リールで実際に揃っている図柄を液晶に表示することで、遊技者に「これが揃っていますよ」と伝えています。

この規制に伴い、ひと昔前は特に規制もなかったのですが、現在では筐体または液晶に全ての役の配当、そして、有効ラインを記載しなければならなくなりました。

液晶に表示しているものは、主にデモ画面や、メニューボタンで表示されたりする、といった手法を用いてますが、
液晶がない機種であれば、上や下のパネルに所狭しと記載されています。

「Reno(山佐)」は上パネルにものすごい数の配当が記載されていますよね?

そのほかであれば、「表示図柄を誤認させる」として規制されているものは以下のものが該当します。

疑似遊技
ビデオリール
ボーナス確定画面

①の疑似遊技は、レバーを操作し、停止ボタンを押すことによって、リールアクションが発生し、図柄が揃う演出のことです。
「麻雀物語3 役満乱舞の究極大戦(オリンピア)」のレア役や、「エウレカセブン2(Sammy)」のボーナスやエアリアルバースト、「沖ドキ!(アクロス)」のボーナスなんかがそれにあたります。

②のビデオリールとは、主に、小さいメインリールを搭載しているが、メインは液晶上のリールで小役表示をしている機種です。
「バジリスク -絆-(エレコ)」や「ガールズ&パンツァー(オリンピア)」、「探偵歌劇ミルキィホームズTD 消えた7と奇跡の歌(DAXCEL)」などが該当します。
こちらは今年(平成28年)の9月30日型式試験申請までなので今度出るDAXELの「ウィッチクラフトワークス」が最後となるでしょう。

ボーナス確定画面です。「ん??」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、一部の機種では具体的に「赤7・赤7・赤7」みたいな図柄の表示ができないのです。
できない機種というのは、有効ライン上にその図柄が揃わない機種です。
「偽物語(Sammy)」や「ヱヴァンゲリヲン 希望の槍(Bisty)」のように、有効ライン以外のラインでボーナスが揃う機種がそれに該当します。
こういった機種は、実際に揃うラインを液晶上に表示しています。

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と、いろいろ書いていきましたが、演出の規制といっても、
リール上の演出の規制ですね。

それ以外の規制は今まで通り何も変わっていないので、普通に遊技する分には問題ない範囲です。

このように、出玉、スペック以外にも、こういった細かな規制も日々加わっていくものです。

そして、規制が加わると同時に、開発に関しても、規制された部分以外での面白さを追求し、遊技台も中身も、そして演出も進化していきます。

それでは、今回はこの辺で。
またお会いしましょう。