改正される規則とは?

本日(2017年7月11日)、警察庁より、パブリックコメント制度で遊技機の規則改正案が公表されました。規則改正案が公表されたのは下記の2つの規則となります。

(1)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則
(2)遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則

(1)の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」には、風適法にある「著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準」について定められています。今回の改正では、主に遊技時間に対しての獲得できる玉やメダルについて制限されました。
(2)の「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」では、認定、検定に関しての手続きや基準が定められています。こちらでは、構造の規格や試射試験による出玉性能の制限、大当り1回あたりの出玉上限値などが一部改正されています。【詳細は下記をご参照ください。】

パチンコ規則改正案の概要

ぱちんこ遊技機の時間あたりの出玉性能が下記の通り改正されます。
<出玉性能の規制>
(現行)1時間の打込みに対して3倍を超えてはならない
→(改正後)1時間の打込みに対して2.2倍を超えるか又は3分の1を下回ってはならない
(現行)4時間の打込みに対しての規制はなかった
→(改正後)4時間の打込みに対して1.5倍を超えるか又は5分の2を下回ってはならない
(現行)10時間の打込みに対して2倍を超えるか又は2分の1を下回ってはならない
→(改正後)10時間の打込みに対して3分の4を超えるか又は2分の1を下回ってはならない

<大当り性能の規制>
(現行)1回の大当りの最大ラウンド数は16ラウンド
→(改正後)1回の大当りの最大ラウンド数は10ラウンド
ラウンド数の上限が規制されたことによって、1回の大当り出玉も変わります。
(現行)1回の大当りの最高払出数2400個
→(改正後)1回の大当りの最高払出数1500個

<その他>
◆「MNRS」の関係式も変わります。
(現行)M×N×R×S≦12
→(改正後)M×N×R×S≦10
◆設定の搭載が可能になります。
(現行)設定なし
→(改正後)最大で6つの設定を搭載することができます。

パチスロ規則改正案の概要

回胴式遊技機のゲーム数あたりの出玉性能が下記の通り改正されます。
<出玉性能の規制>
(現行)400ゲームで3倍を超えてはならない
→(改正後)400ゲームで3分の1を超え、2.2倍を超えてはならない
(現行)1600ゲームに対しての規制なし
→(改正後)1600ゲーム5分の2を超え、1.5倍を超えてはならない
(現行)6000ゲームで1.5倍を超えてはならない
→(改正後)6000ゲームで2分の1を超え、1.26倍を超えてはならない
(現行)17500ゲームで20分の11を超え、1.2倍を超えてはならない
→(改正後)17500ゲームで5分の3を超え、1.15倍を超えてはならない

<大当り性能の規制>
(現行)1回の大当りによる最大払出枚数480枚
→(改正後)1回の大当りによる最大払出枚数300枚

パチスロにつきましては、市場に5.9号機が導入される前に規則改正により6号機の基準が定められる形となりそうです。

大当り性能に関しましては、これまでのパチンコ2400個・パチスロ480枚(9600円の賞品)が、パチンコ1500個・パチスロ300枚(6000円の賞品)に引き下げられました。ギャンブル等依存症対策の強化にの議論に沿って規制の見直しを図ることが今回の改正の目的でもあり、出玉性能を現行のおおむね3分の2程度に抑えられた形となります。
これらの規則改正案はパブリックコメントとして、本日、2017年7月11日に公表され、2017年8月9日まで意見や情報を受け付けています。

パチンコ業界の今後

パチンコ・パチスロともに、毎年、内規の変更や自主規制等を行うことで対処してきましたが、今回は規則が大きく変わることとなります。パチスロが、4号機から5号機に変わった2004年の規則改正以来の大きな変化を迎えようとしています。4号機が全て撤去され、市場が全て5号機となったのは2007年だったと記憶しています。
パチンコ業界の市場に大きな変化が起こることが決定していた2006年、この年に、業界就職を目指すための学校「G&Eビジネススクール」がSANKYO・サミー・フィールズ出資により開校しました。4号機世代の私は、4号機から5号機への出玉性能のギャップによってパチンコを遊技することが多くなりましたが、当時、G&E入学してきた若者は、5号機を歓迎している者も多くいて驚かされました。彼らは、もっと長時間遊技したいため当時の5号機のようにベースが高いパチスロを求め、演出面で楽しさを味わいたいといった前向きな考えをもって入学し、遊技機の企画開発職を目指していました。
そして、今回の大幅な規則改正が行われる時にも、「G&Eビジネススクール」に京楽産業.・大一商会・ニューギン・藤商事の4社が新たに加わりました。今回の規則改正により、出玉以外の要素でエンタテインメント性を引き上げて、「もっと多くの人が気軽に楽しめるパチンコ・パチスロをつくりたい!」といった若者が多く集まることを期待します。

 

※この記事は警察庁生活安全局保安課のパブリックコメントを元に作成しました。