今回はパチンコ・パチスロの「特許」に纏わることを記していきます。
よく、パチンコ・パチスロは「特許の塊」といわれますが、どのようなものであれば特許を取得できるのでしょうか。遊技機メーカーにとって特許権は貴重な知的財産で、開発初期の段階で特許申請を行うことが多いようです。

ここでは、パチンコの特許内容を分類しながらご紹介していきます。

パチンコの特許

パチンコの特許技術は特許庁の標準技術集で、「(1)遊技内容・(2)表示器関連・(3)筐体関連」の3つに大別されています。この3つは、更に事細かに分類されているので、代表的な例をあげていきます。

(1)遊技内容
遊技内容には、パチンコの遊技手順や遊技ルールに関するもの、例えば今のパチンコ1種タイプの仕組みを最初に取り入れ、現在のパチンコ(デジパチタイプ)の最も多いゲーム性をつくった「フィーバー(SANKYO)」などが、これにあたります。他には、サブ基板による演出の制御や乱数生成による抽選機能などもここに含まれます。

<遊技内容の区分と代表例>
1-1 全体のルール・・・通常時は左打ちで遊技し、大当り時は右打ちで入賞を狙う等
1-2 特別遊技のルール・・・デジパチ・ハネモノ・権利物タイプ等の遊技ルールを確立する等
1-3 制御機能・・・抽選を司るメイン基板に対して、演出(音・光・映像等)を制御するサブ基板を搭載する等
1-4 抽選機能・・・係数生成や乱数生成の方式等
1-5 その他のルール・・・大当りのラウンド継続や連続大当りのリミット制限等

(2)表示器関連
表示器関連は、液晶・ドット・ドラム・7セグといった情報を表示させるための出力手段で、液晶モニタの例では360度回転するものや、いわゆる全面液晶がここでの特許にあたります。図柄の表示内容には、図柄のデザインや有効ライン・変動パターンが含まれ、「フィーバーパワフル(SANKYO)」の9分割8ラインなどがあります。

<表示器関連の区分と代表例>
2-1 出力手段・・・液晶を複数使用して抽選結果を表示する等
2-2 表示内容・・・図柄が上下変動・左右変動・奥から手前に変動させる等
2-3 告知・演出機能・・・大当りを期待させる連続予告等
2-4 装飾・遊技補助・・・遊技球の動きに変化を付けるクルーンやワープルート等

(3)筐体関連
筐体関連の特許はハード面での特許です。株式会社平和が特許を取得している、盤と枠に筐体が分離できる「分離筐体」は代表的なものです。また、演出用のプッシュボタン、タッチセンサーや十字キーの搭載など、盤面・枠に関わる特許が多く存在します。
筐体関連の特許は機種というよりは、そのメーカーのハード面の優位性を確立させ差別化を図ることができているものが多い印象です。

<筐体関連の区分と代表例>
3-1 筐体・・・盤と枠が分離できる分離筐体等
3-2 盤面関連・・・レール(打ち出した遊技球の逆流を防止する弁の役割)等
3-3 枠関連・・・プレーヤーが演出に参加できる演出ボタンの搭載等
3-4 基板・音響その他・・・磁石や振動などの不正行為を感知するセンサーを搭載する等

以上がパチンコの特許についてでした。
更にもっと知りたい方は、特許庁の「(標準技術集)遊技機及びその関連技術」をご覧ください。やっぱり遊技機は「特許の塊」なんだと実感できますよ!