皆さんこんにちは

今回はパチンコの変動演出についてお話したいと思います。解説参考作品として、まずはG&Eビジネススクールの生徒作品が公開されていますので、こちらをご覧ください。

パチンコの変動演出の目的

パチンコ機の液晶をみると、数字や絵柄が変動しているのを見かけると思います。これは「飾り図柄」(※以下図柄と表記)といい、いわゆる演出上の図柄なのです。今回は規則的なお話ではなく、変動演出としてお話していきたいと思います。演出である以上必ず狙いや目的があります。その目的は主に2つあります。

一つ目は「当り」「外れ」をプレイヤーに認知させる事。3つの図柄が揃う=大当り 図柄が揃っていない=外れ により「大当り」と「外れ」を認知させるのが目的の一つと言えます。

二つ目は遊技者を退屈させない事。パチンコの変動の大半を占める外れ変動を飽きさせない事が「変動演出」の目的になります。

パチンコ機の変動といえば、1ラインの図柄構成が縦にスクロールするのが一般的ですが、最近では遊技者を飽きさせない工夫として多種多様な変動が近年のパチンコ機の魅力の一つと言えるでしょう。

パチンコの液晶の通常画面構成(近年の主流1ライン構成について)

パチンコの変動演出と言えば、様々な画面構成があります。近年で非常に多いのが、3つの図柄が液晶上を占有する1ラインの構成が多いのではないでしょうか。G&E生の卒業作品も同様の構成です。

さてこの構成が多い理由ですが、私見ではありますが下記点があげられるのではないでしょうか。

①タイアップ機の台頭 によるキャラクター・版権の象徴を全面に押し出すため

1ライン3図柄の構成は、版権の象徴(キャラクター、ロボット、アイテムなど)を全面に押し出すデザインやレイアウトが容易な点です。パチンコを遊技すると一番目にする機会が多いのが「飾り図柄」です。タイアップ元作品の魅力や世界観を伝える上で、デザインやレイアウト(画面に対しての図柄の占有率)など、図柄デザイン上の制約が少ないのは大きな利点と言えます。

※逆に複数のライン構成が可能となる画面構成だと、図柄デザイン上の制約が大きくなると言えます。

②図柄制御システム(プログラム)が比較的に容易である

パチンコ機の液晶演出のオーサリング業務目的は「実機に正常に表示させる事です。」、実機に表示させるには当然、液晶制御(プログラミング)が必要になります。この制御上の都合上比較的容易に制御できることは非常に大きな利点と言えます。

③直感的にわかりやすい

変動演出の目的の一つに「当落」を認知させる目的があります。そして演出にはもう一つ本質があり、それは相手に伝える事、言い換えれば相手に伝わらなければ演出の意味をなさないと言えます。画面構成内にある3つの図柄に同じ図柄が揃うというのは直感的に「当落」がわかりやすいと言えます。

④通常変動が単調になりやすい

他予告・演出を絡めた演出構成になりやすいのが特徴です。また他機種と差別化を図るため、様々な変動パターンや見せ方を求められる要因の一つになっています。斬新なアイデアや見せ方の変動演出を作る事が目的となり、本来の変動演出の目的からずれてしまう事も多くなりがちです。

パチンコの液晶の通常画面構成(5ライン構成)

5ライン構成の通常画面構成の代表例は、SANYO「海物語」シリーズ(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)があげられます。通常画面構成の特徴は下記特徴があげられます。

①多彩なラインでリーチがかかるため、リーチへの期待感が高めやすい。

5ライン機の作品はリーチがかかりやすい!!といった印象を受けるのではないでしょうか?またリーチ自体への期待度も高く、「ノーマルリーチ」でも当る頻度が多いのが特徴です。

②自然な流れでシングル、ダブル、2種類のリーチを見せる事が出来る。またテンパイラインに応じた期待度も表現できる。

シングルよりもダブルのが期待できるといった表現が可能なのは勿論の事、『CR新世紀エヴァンゲリオン』(BISTY)では上段に4図柄でリーチがかかると大当り確定といった、リーチライン自体での期待度を表現した演出はそのゲーム性の幅を広げました。

③図柄制御システム(プログラム)が1ライン比べると複雑である。

1ラインでの特徴で触れましたが、5ラインになると液晶制御が1ラインに比べ複雑になります。

④図柄デザイン上の制約が大きい

特に横スクロールの場合は図柄デザイン上の制約が顕著です。

パチンコの液晶の通常画面構成(8ライン構成)

代表作はフィーバーパワフル2018(ジェイビー)「SANKYO公式 パワコミ」が有名な作品です。

特徴としては下記が挙げられます。

①リーチパターンが非常に多彩

5ラインよりも更に多彩なリーチパターンの表現が可能です。

②市場に非常に少ない構成のため、アイキャッチの効果が高い

8ラインの通常画面構成の機種が非常に少ない故に他機種にはないゲーム性を提供できる事が特徴といえます。

③図柄の液晶制御(プログラミング)が非常に複雑

遊技機の液晶の映像を作る事はさほど大変ではないのですが、8ラインの通常画面構成は非常に制御が複雑で実機に正常に表示する事が難解になります。

④コンテンツが制限される

1ラインの通常画面構成の機種の特徴と正反対になり、コンテンツの制限がうまれます。

 

上記のような特徴を知り、パチンコを遊技すると、また違った楽しみ方を発見できるかもしれませんね。

さて次回は変動演出時間や役割を更に解説していきたいと思います。

 

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