近年の液晶付きパチンコ・パチスロの映像品質は向上し、更には演出数も増大し、その表現の幅は非常に広がったと言えます。そんな遊技機の液晶を支える職種として「演出・液晶・画像企画」という職種があります。G&Eビジネススクールの生徒達が目指す人気の職種でもあります。
さてそんな「演出・液晶・画像企画」の業務の一つに各種「コンテ」の作成があります。今回はその「コンテ」ついて解説していきたいと思います。
※企業により演出・液晶企画の業務内容は異なる場合があります。
コンテとは
パチンコ・パチスロの液晶、アニメやドラマ、CMなど映像を制作していく上で、カットごとの画面構成、登場人物の動き、カメラワークや位置取り、演出などを詳細に記した映像（撮影）の制作指示書の事をコンテ（コンティニュイティの略称)と呼びます。
代表的なコンテの種類
代表的なコンテとして「字コンテ」「絵コンテ」「V(video)コンテ」の3種があげられます。Vコンテは各業界によって呼称は様々で「動画コンテ」「アニマティクス」と呼ばれることもあります。３DCGアニメーション制作現場では「アニマティクス」と呼ぶのが一般的かもしれません。
コンテの目的
コンテの目的は「映像イメージを正確に伝える」ことです。そのため各液晶制作の場に於いて、コンテのフォーマットは様々であり、担当者は目的のためにフォーマットを改良する事も必要です。
また情報量・伝達のしやすさは、「字＜絵＜映像」となり、映像制作の工程も「字コンテ＜絵コンテ＜Vコンテ」と進めるのが一般的です。
パチスロのコンテ
各映像制作現場に於いて、コンテがあり、そしてフォーマットも様々です。今回はパチスロの液晶演出の「コンテ」について少し解説したいと思います。尺・画面構成やカメラワーク・演出の指示などは各映像分野に於いて、共通している指示内容です。そのため今回はパチスロのコンテならではにスポットをあてて解説します。
【トリガー】
パチスロの液晶制作に於いて、大事な要素がトリガー（契機）になります。トリガーを簡単に説明しますと、「レバーを叩くのをトリガー（契機）に液晶演出が表示される」と記載するとわかりやすい思います。つまりパチスロを遊技する際の操作の事をトリガーといいます。パチスロ機によって設けられるトリガーは様々ですが、代表例をあげれば「レバーon」「第一停止on」「第二停止on」「第三停止on」「第三停止off」「PUSHボタン」などがあげられます。また後程解説しますが、パチスロの液晶表示のトリガーは遊技者任意である事がポイントとなっております。この遊技者のプレイスタイルに合わせてどいった映像を作成しなければいけないのかを考慮する必要があります。
【演出フロー】
遊技機のゲーム性の特徴として、当りや外れを分岐によって表現する事があげられます。液晶付きパチスロで多い演出の一つに連続演出があります。「～～～を倒せ」など、ライバルに打ち勝つと大当りやチャンスゾーン(CZ)に突入する際の演出として馴染みがあるのではないでしょうか？こういった演出ではトリガーごとにチャンスアップ(CU)の有無などの分岐が設けられており、必要パターンを全て作成する必要があります。分岐が多くなるほど液晶演出は複雑になります。そのため演出の流れを分かりやすく、図とした演出フローをトリガーと共に記載する事が多くなっています。
また最近のパチスロの演出で多いのが、「７を狙え」といったように、特定の図柄を狙う事を指示する液晶演出があります。当然「青・緑・赤・虹」のバリエーション(差分)をコンテに記載する事はイメージしやすいかと思いますが、実は指示を無視した場合に表示する液晶についても考慮する必要があります。プレイスタイルは人それぞれですが、色んな方のプレイスタイルに合わせて、用意すべき画を考慮する事も「演出・液晶・画像企画」では大事になり、こういった分岐も必要になります。
【パチスロの液晶演出構成】
パチスロの液晶制作で大事なポイントの一つが液晶構成になります。実はパチスロの液晶表示は「IN」と「LOOP」と呼ばれる二つの映像で構成されることが多いのが特徴的です。「IN」は入りの映像のことを言います。また「LOOP]と呼ばれる映像が、ゲーム性故の特性で、繰り返し流す映像の事です。パチスロの液晶の推移は遊技者のプレイにより、流れる液晶演出の表示時間は人により様々です。この様々なプレイに合わせて画を作るために、「LOOP」映像は必ず考慮しなければいけない要素になり、コンテに反映させる事が大事になります。
パチスロの液晶を制作する上で、実は色々なことが考慮され制作されていますね。普段遊技されているパチスロを少し意識してプレイするだけで、きっと色んな発見があり、楽しみ方の幅も広がるかもしれませんね。
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